昔ながらの屋根と言えば「瓦屋根」だと思います。
「和瓦」や「日本瓦」などと言われて古くから屋根材として使われてきました。
そんな瓦屋根は耐久性が高く、メンテナンス不要と言われていますが、経年劣化により雨漏りを引きおこしてしまいます。
なぜ、屋根瓦は耐久性が高いのに雨漏りリスクが生じるのか矛盾に思う方も多いでしょう。
ここでは、屋根瓦の劣化による雨漏りリスクについて解説していきます。
屋根瓦の劣化状況
屋根瓦の本体は「粘土瓦」と言われて、耐久性が高く、「40~50年」くらいは持つと言われています。
しかし、瓦の固定や接着に使われている「漆喰」、「葺き土」、「緊結線」、下地の「野地板」、「防水紙」は10~20年で劣化が進むため、メンテナンスが必要となります。
これらを放置してしまうと、「瓦の崩れ」、「雨漏り」などの原因にもなってしまうため、定期的に手を加えなければなりません。
屋根瓦の雨漏りリスク
それでは具体的に経年劣化の影響による雨漏りリスクについて解説していきます。
漆喰の劣化からの雨水の侵入
棟瓦には漆喰という詰め物がありますが、経年劣化によってボロボロと剥がれてきます。
この漆喰が剥がれると、内部の葺き土まで剥がれ落ち、内部に隙間が生じてしまいます。隙間が生じるとそこから雨水が入り込んで、雨漏りの原因となってしまうのです。
また、棟瓦の強度も低下して崩れることにより雨漏りが発生してしまうケースもあります。
瓦のずれや割れからの雨水の侵入
桟瓦も地震や飛来物などの影響により、ずれたり割れたりすることがあります。
その影響で内部に雨水が長期間入り込むと雨漏りリスクが高まってしまいます。すぐに雨漏りすることは無いですが、割れた箇所から雨水が入り続けると、そのリスクは時間の経過とともに高まっていきます。
防水シートの破損
上記の「漆喰の剥がれ」や「瓦の割れ」などの影響により、内部に入り込んだ雨水が2次防水の防水シートを傷めることで雨漏りに繋がります。
この防水シートが最後の雨から屋根を守っている役目がありますが、その機能低下により雨漏りしてしまいます。
雨漏りはこの防水シートをいかに傷めないで、長期的に長持ちさせていけるかが非常に重要なポイントとなります。
まとめ
瓦屋根は本体は問題なくても、それ以外の箇所で不具合が生じてきます。
そのため、劣化状況を把握して、適切な時期にきちんとメンテナンスを行っていく事がとても大事となります。