瓦屋根と言えば、メンテナンス不要なイメージがあります。
確かに、粘土瓦は長持ちするため、60年以上の耐久を期待できます。
しかし、粘土瓦は問題なくても、その他の部分が残念ながら劣化して傷むため、メンテナンスが必要となるのです。
ここでは、瓦屋根のメンテナンス方法について、解説していきます。
瓦のメンテナンス方法
漆喰補修
劣化症状
瓦の棟部分には、漆喰という塗り物があります。
この漆喰は、棟瓦の崩れを防ぎ、雨漏り防止に役立っています。
しかし、年数が経つと表面がボロボロと剥がれてくるため、塗り直しが必要となります。
施工手順
既存の漆喰を剥がしてから、新しい漆喰を盛土に塗って仕上げていきます。
日数は、1~2日日間で仕上がることが多いです。
銅線巻き直し
劣化症状
棟瓦は銅線で固定されています。
この銅線は、年数が経つと劣化して切れてしまいます。
巻き直すには、瓦を積み直していくしかりません。
施工手順
瓦の積み直しか、コーキングで固定していきます。
棟瓦の積み直し
劣化症状
棟瓦の積み直しは、上記の銅線を巻き直す場合や棟瓦の倒壊、ずれなどが激しい場合に行っていきます。
施工手順
既存の棟瓦を解体しながら、盛土や漆喰も処分していきます。
フラットな状態にしてから、新しく漆喰を盛って土台を形成していきます。
その土台に、のし瓦を積んでいき、最後に丸瓦を積み、銅線で固定して仕上げていきます。
瓦の葺き直し
劣化症状
瓦屋根の不具合は棟瓦や粘土瓦の劣化だけではありません。
その下地も劣化して腐食してきます。
下地というのは、野地板や桟木のことです。
これらは、瓦を固定するためにとても重要な役割を果たしています。
腐食してしまうと、瓦がずれたり、外れたりする原因となります。
そのため、この下地だけ補修していく工事を葺き直し工事といいます。
施工手順
既存の瓦屋根を解体していきます。
その後、新しいベニヤを張り、防水シートも新しく張っていきます。
その上に桟木も取付けて、解体した瓦をまた戻して完了となります。
瓦の葺き替え
劣化症状
葺き替え工事は、屋根葺き直しを行う目的にプラスして、耐震性の向上を目的として瓦から軽量の屋根材に張り替える工事となります。
施工手順
葺き直しと同様に、瓦を撤去して、ベニヤと防水シートを張っていきます。
仕上げに、瓦を戻すのではなく、新しい屋根を葺いて仕上げていきます。
新しい屋根には、スレート系、シングル系、金属系、自然石粒系などがあります。
まとめ
瓦屋根も年数が経つと不具合が生じるためメンテンナンスが必要となります。
あまり放置せずに、適切な時期にしっかりと修理を行っていきましょう。