建物というものは、建てて終わりではありません。
長く住むものなので、定期的なメンテナンスが必須です。
しかし、建物には屋根や外壁、室内とたくさんのパーツによって作られており、それぞれのタイミングも異なってきます。
そのリフォームは必要なのか、目的など疑問がたくさんあることでしょう。
そこで、「軒天」について知っておきましょう。
軒天とは
「軒天」という言葉を初めて聞いた、という方も多いのではないでしょうか。
この「軒天」とは、主に屋根の裏側の部分を指しています。
要するに一般住宅で言う三角屋根から出っ張った部分、住居から屋根がはみ出ている部分の裏側です。
玄関のひさしの裏、外階段の裏なども「軒天」と呼びます。
この場所は外部ではありますが、屋根のように直接雨水にさらされるわけではありません。
ただ水が溜まりやすく、徐々に傷みが進行してくる箇所です。
この部分にシミなどが見つかった場合には、雨漏りが生じていると思われるので調査をしなければいけません。
軒天の張り替えは必要か
軒天は軒の裏側、多少傷んでいても建物や住むのに問題ない箇所、特に張り替えの必要はないのではないかと思います。
この軒天には、どのような役割りがあるのでしょうか。
軒というのは建物に雨風が入りにくくする、という重要な役割りを持っています。
最近ではデザイン上軒のない家もありますが、実はこの軒は家の出入りの際に雨水が室内に侵入しにくくするという、大きな役割りを持っています。
ほんの少しでも軒があることで、雨水の吹き込みが変わります。
そして軒天は、その大切な軒を保護する役割があります。
火事などの際にこの軒天がなければ火の粉が屋根裏に侵入し、延焼の恐れが大きくなるのです。
害虫や害獣の侵入も防いでくれます。
軒天張り替え工事と相場
軒天は、足場が必要となる工事です。
外壁塗装や屋根塗装の際に合わせて行うことが多いでしょう。
湿気がたまりやすい場所なので、塗装が剥がれていたりすると軒天を傷めてしまう要因となります。
軒天には、様々な材質が用いられています。
カラーベニヤや化粧合板といった木材系、ケイカル板やエクセルボードといった不燃材、ガルバリウム鋼板のような金属系などです。
劣化の状態により、再塗装、不燃在被せ、張り替えがあります。
費用は足場代と材料費など、平米辺り800円から1500円程度必要となります。
フッ素などの高耐久性塗料を用いる場合には、費用も高くなります。
まとめ
二の次になってしまいがちな軒天の張り替えですが、実は軒天の汚れは案外目立ちます。
軒天にカビが生じている場合には、雨漏りをしている可能性が高いので注意が必要です。
外壁塗装や屋根塗装の際に合わせて行うことで費用も軽減させることができるため、二の次にせず、しっかりと軒天のメンテナンスも行いましょう。